CBNスーパーハイプレシジョンラジアスエンドミル「SHPR400」

さらなるレベルの加工精度を求めて

焼入れ鋼への高精度の加工にはこれまでも素材特性からくるＣＢＮ工具の優位性（長寿命ゆえに精度を維持できる）をご案内しておりましたが、今回はこれまで以上の加工精度を得られる新製品、ＣＢＮスーパーハイプレシジョンラジアスエンドミル「SHPR400」をご紹介いたします。

高精度の加工は工具の精度から

加工精度向上の為、工具精度にとことんこだわりました。シャンクはエンドミルを生産する際も、工作機械に取り付けて使用する際も基準となる部分であり、高精度加工における根幹であると考え、2μmレンジで生産しております。また加工精度に直接的に影響を及ぼすコーナーR部分は、±2μm、レンジで4μmとなっています。

刃径（ØD）公差［mm］		0 〜 -0.005（ØD≦1mm） 0 〜 -0.007（ØD>1mm）
コーナー半径（Ｒ）公差［mm］		±0.002
シャンク径公差［mm］		-0.001 〜 -0.003 レンジ 2μm
刃数		4枚刃
サイズラインナップ	刃径［mm］	Ø0.1 〜 Ø3
	コーナー半径［mm］	R0.01 〜 R0.2
	首形状	ロングネックタイプ（首下長）おおよそ L/D=5 まで

加工精度を向上させる刃形状

仕上げに特化した工具として、切削抵抗を低減させる切れ味重視の新刃形状を採用。ＣＢＮの素材特性による長寿命はそのままに、加工精度を向上させました。切削抵抗を測定するテストにおいても、従来品の半分の抵抗となっております。

基礎テスト事例

新形状の優位性確認として、高硬度材における加工後の精度を測定した資料となります。今回は極小径サイズ、Ø0.1×R0.01 での加工結果をご紹介いたします。

加工情報
使用工具		SHPR400　Ø0.1×R0.01×0.3
被削材		HAP40 64HRC
ワークサイズ		4×4mm／深さ 0.3mm
コーナーR		R0.1
壁面部勾配		0°
切削条件
回転数［n：min-1］		40,000
送り速度［Vf：mm/min］		150
仕上げ代［mm］		0.002
切込み量［mm］	ap	0.002
切込み量［mm］	ae	0.01
クーラント		オイルミスト
検証時間		1時間30分

粉末ハイス HAP40 64HRC への仕上げ加工において、極小径サイズである先端径 Ø0.1 のラジアスエンドミルが１時間３０分にわたり加工誤差最大 2μm と高精度な加工を実現しております。

加工面粗さ［μm］	底面	Ra0.025／Rz0.299
加工面粗さ［μm］	側面	Ra0.041／Rz0.251
R形状［mm］		R0.011
加工誤差①［mm］狙い値 3.000		-0.002（測定値2.998）
加工誤差②［mm］狙い値 0.300		-0.001（測定値0.299）

加工事例コネクタ

同じく極小径サイズを用いて、コネクタの金型部品をイメージしながら溝加工を実施した加工事例をご紹介いたします。

加工情報
被削材		DC53 60HRC
加工時間		3時間53分
ワークサイズ		30mm×10mm×15mm／加工深さ 0.3mm
切削条件
使用工具		SHPR400　Ø0.1×R0.02×0.3
ツールパス		溝加工
回転数［n：min-1］		120,000
送り速度［Vf：mm/min］		300
切り込み量［mm］	ap	0.002
切り込み量［mm］	ae	---
クーラント		オイルミスト

加工結果

		１本目	１００本目
溝幅	拡大
溝幅	幅：測定値［mm］	0.101	0.098
溝深さ	拡大
溝深さ	深さ：測定値［mm］	0.299	0.297
測定器		ニコン製　測定顕微鏡　ＭＭ４０　１００倍

補足情報：ＣＢＮエンドミル使用上の注意点

加工環境について

刃先の振れを極力小さくしてください。

主軸の伸縮や機械姿勢変形の傾向を把握し、対策を取ってください。

仕上げ代（取り代）について

小径ＣＢＮエンドミルを使用する際は、仕上げ代（取り代）を均一にする事が重要です。

荒取り加工・中仕上げ加工で使用した工具の摩耗が大きいと、中仕上げ・仕上げ加工時の仕上げ代（取り代）が大きくなり、工具寿命や加工精度に影響しますので、前加工で均一な仕上げ代（取り代）を残す事が重要です。

ＣＢＮのご利用状況

お声をお聞かせください

よろしければ下記の中よりＣＢＮのご利用状況に関してお聞かせください。選択いただいた内容によって、オススメのコンテンツ等々を後日ご案内申し上げます。