日進工具は、長年の研究開発によりユーザーニーズにお応えする様々な小径エンドミルの製品化を行っており、焼き入れ後の金型材仕上げ加工においては、コーテッド超硬エンドミルに比べて飛躍的な工具寿命向上と、加工精度の安定化が実現するcBNエンドミルシリーズが好評を得ております。
cBNエンドミルシリーズにおいて、ユーザー様から「更なる加工品位の向上」を求める声を多く聞き、今までのcBNエンドミルより容易に光沢感のある仕上げ面を得ることを目的に開発したのが、cBNスーパースパイラルボールエンドミルSSPB220です。
今回、規格拡大と共に、更なる深部への加工に対応するcBNスーパースパイラルロングネックボールエンドミルSSPBL220と、工具剛性を高め加工能率・加工精度の向上を図ったcBNスーパースパイラルロングテーパーネックボールエンドミルSSPBTN220をラインナップし、加工領域を拡大しました。
特長
スパイラルボール形状の開発
工具素材であるcBN焼結体は、素材自体の硬度が4,000Hv以上と、コーティング被膜よりの硬い性質を有しており、耐摩耗性に優れた工具素材ですが、合わせて欠け易いという性質も持ち合わせています。そのため耐チッピング性能を高める刃先形状の採用が必要ですが、一般的にはこの形状は切れ味を鈍らせる形状となるため加工面へ光沢感を付加することは困難でした。
弊社では、これを解決するために【耐チッピング性】と【切れ味】を両立する独自のスパイラルボール形状を開発し、仕上げ加工面において光沢感という付加価値をつけることに成功しました。
外周刃強バックテーパーの採用
ボールエンドミルによる3次元形状加工において外周刃が不要に加工面へ接触すると、切削抵抗増加によるビビリ振動が発生し、工具寿命や加工面品位に影響を与えます。強バックテーパーを採用することで、この影響を軽減できます。
cBN焼結体の優れた耐摩耗性
前述のとおり、cBN焼結体は硬度4,000Hv以上とコーティング被膜以上の硬度を有しており、高硬度材の仕上げ加工では工具摩耗は極めて少なく、コーテッド超硬エンドミルに比べて数倍~数十倍の加工距離・時間に耐えられます。
【HPM38(52HRC)仕上げ加工における工具損耗状態】
焼き入れ鋼の長時間加工でも刃先の摩耗が極わずかです!
加工事例
- 形状:ボトルネックモデル
- 被削材:ELMAX 59HRC
- 総加工時間:3時間25分
- クーラント:オイルミスト
- ワークサイズ:30×30×30mm
加工面状態
面粗さ(Rz)0.27~0.55μm
(TaylorHobson社フォームタリサーフにて測定)
面粗さRz0.5μm程度、光沢のある高品位な加工面を実現!
最後に
日進工具では、困難な加工を解決するために、工具の開発だけでなく、弊社加工エンジニアによる技術相談も受けております。お問い合わせ・ご相談は随時受け付けておりますので、下記よりお申し込みください。
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