温度変化により加工精度にどの様に影響が出るか複数の観点からテストを実施しました。

温度変化による加工への影響

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温度変化による加工への影響

温度管理は、精密加工を行う上で非常に重要な要素の一つとして挙げられます。
今回は

  • 主軸回転数違いによる主軸位置への影響と機械室の温度変化による影響
  • 機械内における温度変化が主軸に与える影響と日進工具が現在取っている対策
  • 機械の姿勢変形により仕上げ加工に影響が出た事例

  • 最後に温度管理を意識し、精密加工を行なった事例をご紹介します。

    【※ご注意】今回の事例に出てくる主軸の伸び量等の値は、日進工具が所有している設備の固有値となります。その為、お客様にて所有されている設備に直接ご参考となる数値とはなりませんのでご注意ください。


    主軸回転数と機械室の温度変化による主軸の伸び量

    主軸回転数による主軸の伸び量

    主軸暖機運転15分後の測定値

    主軸回転数による主軸の伸び

    機械室の温度変化によるZ方向の伸び量(姿勢変形含む)

    主軸は停止状態

    機械室の温度変化によるZ方向の伸び量


    機械内の温度変化による主軸位置の変位量とその対策


    恒温室設置前

    設置前
    項目 機械内温度
    (℃)
    温度変化量
    (℃)
    主軸伸縮
    (μm)
    主軸変位量
    (μm)
    設置前 21.9
    〜24.8
    2.9 24.2
    〜28.8
    4.6

    恒温室設置後

    設置後
    項目 機械内温度
    (℃)
    温度変化量
    (℃)
    主軸伸縮
    (μm)
    主軸変位量
    (μm)
    設置後 23.7
    〜24.5
    0.8 26.7
    〜28.7
    2.0




    温度管理の影響が出た事例


    事例 90°立ち壁において
    前加工となる中仕上げ面(cBN面)が残ってしまったケース(削り残し)
    撮影・測定機器 KEYENCE社製 デジタルマイクロ顕微鏡 VHX-6000
    レンズ倍率:×200
    推定原因 工作機械の姿勢変形(熱変形)
    ※ 仕上げ加工工程の設定仕上げ代は 5μm
    ※ 同一軸上の加工面で対角の2面です


    結論

    主軸の回転数が変化すると、主軸位置に影響を与えます。また 囲い+精密空調機 を設置することで、温度変化を抑える事ができ、機械の姿勢変形を小さくする事が可能となります。機械の仕様で補正が入る等、姿勢変形の対策がなされているケースも多く見れますが、今回の様に温度変化をいかに抑えるかという観点で対策することも精密加工においては非常に有効であるといえます。

    下記の事例は温度管理を意識し、仕上げ代の管理をどこまで行えていたかという事例となります。また各加工工程における主軸回転数も一定とすることで、回転数違いでの主軸位置の変化を抑えました。その他工具の振れ精度の管理をはじめ様々な要素を意識し、角度の違う4面全てにおいて、狙い値から2μm以内と、精度の高い加工が行えた事例となります。


    温度管理を意識した加工事例

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