これまでの日進工具にないイメージ
部品加工用エンドミルに力を入れております！

金型製造向けの工具ラインアップが多い弊社ですが、以前より部品加工向けのラインアップにも力を入れておりました。

いずれも量産の部品加工に採用される事を目指しラインアップした工具ですが、聞き覚えのある型番名があれば幸いです。
ここに“無限フラットドリル MFD”を昨年投入しました！

昨年投入したばかりという事もあり、まだまだ認知されておりませんが・・・、
とくにステンレス鋼への加工において自信があります！

特徴と使用範囲

無限フラットドリル MFD

• 2種類のシンニング形状
• 第二マージンの採用
• ロングネック形状の採用
• さまざまな形状への穴加工に対応

工具形状の詳細はパンフレットをご覧下さい（ダウンロードリンクを本記事内にご用意しております）

SUS304 における他社比較と性能テスト

⌀6 深さ2D 12mm 平面止まり穴加工（加工数:300穴までの拡大量変位）

被削材：SUS304、加工深さ：12mm、加工機：立形MC#40、クーラント：水溶性切削油、
切削条件 Vc：40m/min、n：2,100min-1、Vf：155mm/min、f：0.073mm/rev

MFDは穴拡大量が抑えられ、安定した加工を行うことが可能です！

⌀6 通常ドリルとの斜面への加工による比較

被削材：SUS304、加工深さ：12mm、加工機：立形MC#30、クーラント：水溶性切削油、
切削条件 Vc：39m/min、n：2,100min-1、Vf：76mm/min、f：0.036mm/rev

ワークサンプルのご紹介と製作スタッフによる裏話

半導体製造装置部品をイメージしたサンプルを製作しました。

※穴加工時は止まり穴ですが裏面加工後には貫通穴となっております

製作担当者のコメント

実はやらかしてしまいまして。。。数回折損を起こした加工箇所（⌀4と⌀5.1）がありました。
検証したところ、工具の突き出し量を短くし過ぎていた事が問題と判明。切りくずをスムースに排出させるスペースの確保や、クーラントの供給不足が主要因でした。
日進工具のセミナーでも紹介していましたが、適切な突出し量を設定する事がいかに大事であるかという基本のキ、忘れておりました。。。
ここでセミナーの資料でもある、工具の突き出し量による影響の事例をどうぞ！

工具の突き出し量最適化による効果

こちらはエンドミルでのポケット加工の例ですが、突き出し量を最適化した方は、切りくず排出スペースの確保、更にはクーラントの供給もしっかりと行われます。

工具の突き出し量最適化による効果 クーラントを刃先に供給可能

工具サイズ：⌀4、被削材：SUS304、加工深さ：8mm、加工機：自動旋盤、クーラント：不水溶性切削油、
切削条件 Vc：30m/min、n：2,500min-1、Vf：105mm/min、f：0.042mm/rev
工具サイズ：⌀4、被削材：SUS304、加工深さ：8mm、加工機：自動旋盤、クーラント：不水溶性切削油、
切削条件 Vc：30m/min、n：2,500min-1、Vf：105mm/min、f：0.042mm/rev

工具の突き出し量最適化による効果 刃先へのクーラント供給量UP

工具サイズ：⌀6、被削材：SUS304、加工深さ：12mm、加工機：立形MC#40、クーラント：水溶性切削油、
切削条件 Vc：40m/min、n：2,100min-1、Vf：155mm/min、f：0.074mm/rev

上記２つの例から、クーラントが刃先に供給される事で、効果が大きく変わる事がわかります。工具突き出し量を最適化する事で、クーラントの供給方向をより主軸に近いところから行え、結果刃先へクーラントの供給を行い易くする事が可能となります。またクーラント供給量によっても効果が変わる事から、ホルダー端面と加工面の距離を意識する事も重要となり、切りくずをより排出し易い環境を整える事にもなります。

まとめ

ステンレス鋼へ加工形状を問わず、安定した精度で穴加工を行う事にお悩みのお客様も多いのではないでしょうか。失敗事例を交えたワークサンプルのご紹介でしたが、ステンレス鋼への加工ともなると工具自体の性能はもとより、段取り含めた外部環境の影響も大きい事がわかります。
この点もぜひご参考ください。

小径サイズを得意とする日進工具ならではの細かな技術を工具に盛り込み、性能を最大化した“無限フラットドリル MFD”をぜひお試しください。