「cBN焼結体工具の特性〈後編〉」【アプリケーション編】をご紹介します。 是非、貴社の切削加工の向上にお役立てください。
目次
切削条件について
高硬度材をcBNエンドミルで仕上げ切削する場合、切削速度を高く設定する事は問題ありません。しかし、切り込み量、ピックフィードの設定に気を付けないと、刃先にカケ・チッピングが発生してしまいます。すなわち、カケ・チッピングの発生しない切り込み量で高速切削する事がcBNエンドミルの特性を十分に発揮出来る切削条件であると言えます。具体的な例として、以下に切削事例を紹介します。
工具:R0.5mm cBNボールエンドミル(SFB200)
被削材:SKD11(60HRC)

1面目 0.9μm、20面目 1.6~1.7μm
- 切削速度:380m/min
- 回転数:120,000min-1
- 送り速度:5,000mm/min
- 1刃送り量:0.042mm/tooth
- 切り込み量(ap)×(ae):0.01×0.02mm
- クーラント:オイルミスト
- 切削長:1面×275m×20面=5,500m
- 加工時間:1面 1時間×20面=20時間
cBN工具のクーラントについて
cBN工具を使用する上で、クーラントの選定も重要な要素です。下図は様々なクーラントを用いて仕上げ加工を行なった後のボールエンドミルおよびラジアスエンドミル刃先摩耗状態です。この結果から、cBN工具を使用する際のクーラントはオイルミストが最も良好であり、次いで油性切削油が良い結果を得られています。工具寿命向上の観点からオイルミストの使用を推奨します。


使用上のポイント
cBN工具を使用する時には以下のポイントに気をつけて下さい。

- カタログ等で設定されている切削条件表の切り込み量でご使用下さい。
- 機械主軸の伸縮量を把握して下さい。
- コーナー部分の取り残し、パスに注意して下さい。(右図を参照下さい)
- クーラントはオイルミストを推奨します。
- 仕上げ専用のcBN工具は、「砥石」で「研削」するイメージで使用して下さい。
cBN工具を使用するメリット
全ての加工に対応出来ませんが、特に、高硬度材の仕上げ加工において工具寿命の向上、面精度の安定性等が得られます。また、加工寸法精度も、工具寿命が向上する為、安定した寸法精度が得られます。今まで仕上げ工程で工具交換による段差が生じていた加工でも、長時間の仕上げ加工が可能なcBN工具を用いれば、工具1本で加工出来る可能性が十分にあります。