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エンドミル工具素材を知る

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「エンドミル工具素材を知る」【基礎編】をご紹介します。
是非、貴社の切削加工の向上にお役立てください。

目次

  1. エンドミル素材の進化
  2. エンドミル素材の種類とその用途
  3. 超硬素材の種類と使い分け
  4. 超々微粒子超硬合金

エンドミル素材の進化

金型材などの被加工材および工作機械の発展とともに、工具素材も進化してきました。ハイスから始まり、現在ではcBN焼結体およびダイヤモンド素材へ進化し、実際の加工では、超精密微細加工が実現しています。更に次世代の新しい工具素材への展開が期待されています。また、各々の素材においては、現在でも用途に応じて活用しています。

図1

エンドミル素材の種類とその用途

ハイス(高速工具鋼)

靭性が高く、重切削に適しています。工具素材としては硬度が低い為、摩耗の進行が早いです。

超硬合金

ハイスより靭性が低いのですが、硬度が高く、耐摩耗性で有利です。ある程度の荒加工から仕上げ加工まで幅広く対応できます。

cBN焼結体(立方晶窒化ホウ素)

超硬合金の数倍の硬度があり、耐摩耗性に優れています。耐熱性もあり、高硬度材の加工や高速切削時に威力を発揮します。硬いが故に脆い点もありますが、仕上げ加工用としては抜群の素材です。

単結晶ダイヤモンド・ダイヤモンド焼結体

切削工具に使用される素材の中で一番硬い素材です。熱に弱い為、一般的にはアルミなどの一部の被削材に限定して使用されますが、工具形状・加工技術の開発により、現在では超硬合金など硬脆材の切削にも用いられます。

図2
工具素材の分布

超硬素材の種類と使い分け

超硬合金はWC(炭化タングステン)+Co(コバルト)が主成分です。CoはWCをつなぎ合せるボンドの役割を果します。例えば、K10、K20、K30といったように、数字が大きくなるとCoの含有量が増え、靭性が向上します。逆に、数字が小さくなるとCoが減り、硬さが増します。その他、使用用途により様々な微量元素が配合されます。

超々微粒子超硬合金

一般的な超硬合金の平均粒径は3μm前後、超微粒子超硬合金は1μm前後、更に微粒である超々微粒超硬合金は0.5μm以下と言われ、用途に応じて使い分けされます。超硬合金においても、工具の微細化が進むにつれて、より小さい粒子へと進化し、素材性能が向上しています。更に小さい粒子への取り組みが盛んに行われています。

超々微粒子超硬合金
微粒子超硬合金

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