コラム | 工具の学び舎 | 基礎編

切削条件を知る【第四回:切削条件の設定、切込み量・送り速度の考え方編】

【基礎編】切削条件を知る【第四回:切削条件の設定、切込み量・送り速度の考え方編】のご紹介です。

目次

  1. 切削条件の設定について
  2. 切込み量の考え方
  3. 送り速度の考え方

切削条件の設定について

切削加工で最適な条件とは、加工時間が短く、工具摩耗が小さく、加工精度が良いことです。荒取り加工における切削条件の設定について、加工能率や工具摩耗に大きく関わる切込み量から設定することをお勧めしております。

切込み量の考え方

小径エンドミルを使用する時に、細いからすぐに折れてしまいそうと、切込み量を微小にしてしまうことがあります。しかし、切込み量を小さくすると、加工距離が増加して、工具摩耗が進行する原因となります。工具剛性が保たれる範囲で、できるだけ切込み量を大きくすることで、切込み量が小さい時より加工能率が良くなり、工具摩耗の進行を抑えられます。


切込み量の違いでどれだけ加工能率と工具摩耗に差が出るか実験してみました。切削条件参考表で切込み量(ap)が0.2mmとなっているエンドミルで、0.1mmの場合と0.2mmの場合を比較してみました。

送り速度の考え方

送り速度も切込み量と同じように、小径エンドミルを使用する時は、細いからすぐに折れてしまいそうと、送り速度を下げてしまうことがあります。送り速度も下げ過ぎてしまうと、1刃当たりの送り量がとても小さくなり、工具摩耗を進行させてしまう場合があります。ただし、送り速度を上げ過ぎてしまうと、切れ刃のチッピングを誘発させることになるので注意が必要です。

     

<次回予告>
次回の切削条件を知る【第五回】では、ダウンカットとアップカットについて、工具の摩耗と寿命についてご紹介してまいります。

    

工具の学び舎

基礎編

アプリケーション編

TOP