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切削条件を知る【第三回:1刃当たりの送り量・送り速度の算出方法と切削条件の調整編】

【基礎編】切削条件を知る【第三回:1刃当たりの送り量・送り速度の算出方法と切削条件の調整編】のご紹介です。

目次

  1. 1刃当たりの送り量の算出方法
  2. 送り速度の算出方法
  3. 切削条件の調整について

1刃当たりの送り量の算出方法

1刃当たりの送り量とは、1枚の刃が切削位置に来た時と、次の刃が切削位置に来た時の移動量のことです。1刃当たりの送り量が大きいと、1枚の刃が1度に被削材を削る量が多くなり、加工が早く進み工具摩耗は小さくなりますが、切削抵抗が大きくなり負担も増えてしまいます。1刃当たりの送り量を小さくすると、1枚の刃が1度に被削材を削る量が少なくなりますが、加工時間が延びてしまい工具摩耗は大きくなります。

下記の計算式を使って、問題を解いてみましょう。


答えはこちらをクリック!    
     

送り速度の算出方法

送り速度とは?・・・【第一回:入門編】の送り速度についてを参照してください。
下記の計算式を使って、問題を解いてみましょう。


答えはこちらをクリック!    
     

切削条件の調整について

(1)工作機に搭載されている主軸の仕様によって、最高回転数が違います。切削条件参考表の回転数が使用する工作機の最高回転数を上回っている場合は、切削条件の調整が必要となってきます。例をあげて切削条件の調整方法をご説明します。


(2)使用する工作機の最高回転数が30,000min-1のため、切削条件参考表の条件に合わせられません。回転数のみ下げた場合、1刃当たりの送り量はどうなるでしょうか?


(3)回転数のみ下げると1刃当たりの送り量が変わってきます。使用する工作機の最高回転数と切削条件参考表の回転数が合わない場合は、送り速度も同じ割合で調整し、1刃当たりの送り量を合わせる必要があります。まずは、下の計算式を使って割合を求めます。



(4)次に下の計算式を使って調整後の送り速度を求めます。



【まとめ】

以上のように、切削条件参考表の回転数に使用する工作機が合わせられない場合は、送り速度を回転数と同じ割合で調整することによって、1刃当たりの送り量が変わらず使用する工作機で対応することが可能となります。今回の例では、下のように切削条件を調整しました。



     

<次回予告>
次回の切削条件を知る【第四回】では、切削条件の設定と切込み量や送り速度の考え方についてご紹介してまいります。

       
   

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