コラム | 工具の学び舎 | 基礎編

切削条件を知る【第一回:入門編】

【基礎編】切削条件を知る【第一回:入門編】のご紹介です。切削工具を使用する上で、切削条件の設定が欠かせませんが、そもそも切削条件はどのように設定する必要があるのかを本記事では紹介してまいります。尚、基礎編「切削条件を知る」はシリーズ化を予定しております。

目次

  1. 切削条件とは
  2. 回転数と切削速度について
  3. 送り速度について
  4. 切込み量について
  5. 量記号一覧
  6. 基本的な切削条件の計算式

切削条件とは

切削工具を使用し被削材を加工するためには、被削材の特徴と工作機械の性能や切削工具を考慮し切削条件(回転数、送り速度、切込み量)を決めます。切削条件は加工精度、仕上がり面、工具寿命に大きな影響を与えるため、適切な条件に調整することが重要となります。

回転数と切削速度について

工具径がø10とø20の工具を同じ時間で同じ回転数にするためには、円周がø10は31.4mm、ø20は62.8mmですので、ø20の工具は2倍の速度で回転させなければいけません。この速度を切削速度といいます。切削速度が速すぎると刃物が耐えられず刃欠けなどの原因となります。ø20の工具をø10の工具と同じ切削速度にする場合は、ø20の工具の回転数を半分にすると同じ切削速度になります。

送り速度について

送り速度(mm/min)とは工具が1分当たりに進む距離です。回転数が同じ場合、送り速度が速いと1枚の刃が被削材を削る量が多くなり、加工時間は短くなりますが、面粗さの低下や切削抵抗が大きくなってしまうことによって、工具摩耗が大きくなってしまいます。送り速度が遅いと1枚の刃が被削材を削る量が少なくなり、加工時間が延びてしまいますが、面粗さ向上や切削抵抗が小さくなる反面、刃が被削材をこする時間が長くなってしまいますので、工具摩耗を進行させてしまう場合もあります。

         

切込み量について

切込み量とは被削材の除去体積を決める重要な要素で、同じ除去体積の場合、切込み量が大きいほど加工時間が短くなりますが、切削抵抗も大きくなります。また、切込み量によって加工面や工具の寿命にも影響が出てきます。軸方向の切込み量をap、半径方向の切込み量をaeと表します。

        

量記号一覧

        

基本的な切削条件の計算式

        
     

<次回予告>
次回の切削条件を知る【第二回】では、回転数の算出方法・切削速度の算出方法・ボールエンドミルの実加工径についてご紹介してまいります。

     

工具の学び舎

基礎編

アプリケーション編

TOP